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教理による黙想の手引き 14

教理による黙想の手引き 第14回
日本キリスト教会発行 福音時報 2016年2月号掲載
 掲載時のコーナータイトルは「教理を学ぶ - 説教で聞く教理 -」)

 

聖霊なる神」

「救いは,聖霊によって新しく生まれさせ,新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。」(テトスへの手紙3章5節 新共同訳)

 日本キリスト教会信仰の告白(口語文)では、聖霊について「父と子とともにあがめられ礼拝される聖霊」と述べています。聖霊は、父なる神、子なる神とともにこの上ないお方であり、礼拝される神であると告白しています。
 聖霊のイメージを持ちづらいため、わたしたちは時に聖霊を、神の御旨を伝え、恵みを運ぶ伝令者、あるいは神から送られてくる聖なる波動、エネルギーのように間違ったイメージで理解してしまうことがあります。

 前回聖書で確認したように、聖霊はわたしたちの信仰にとても身近で密接に関わっておられます。その聖霊を自分好みのイメージで理解するのではなく、聖書に従って理解することが大切です。

 信仰の告白は「父と子とともに」と、聖霊が父と子と並ぶお方であると告白します。これは礼拝の最後に行われる祝祷(祝福)で用いられる「主イエス・キリストの恵み,神の愛,聖霊の交わりが,あなたがた一同と共にあるように」(2コリント 13:13)、また復活の主の宣教命令「あなたがたは行って,すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け,あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい」(マタイ 28:19, 20)によって示されたものです。

 そして聖書には「神は霊である」(ヨハネ 4:24)とあります。また「わたしたちは・・神からの霊を受けました」(1コリント 2:12)とあります。霊である神からの霊、それは伝令者や波動などではなく、神ご自身です。

 この神である聖霊は、わたしたちの内に信仰を起こし(1コリント 12:3)、新しく生まれさせ(新生 ヨハネ 3:5, 6)、造りかえてくださいます。「わたしたちは皆・・栄光から栄光へと,主と同じ姿に造りかえられていきます。これは主の霊の働きによることです。」(2コリント 3:18)
 「救いは,聖霊によって新しく生まれさせ,新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。神は,わたしたちの救い主イエス・キリストを通して,この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。」(テトス 3:5, 6)

 聖霊は、わたしたちに語りかけられます。「霊がこう言った。『・・ためらわないで一緒に出発しなさい。わたしがあの者たちをよこしたのだ。』」(使徒 10:19, 20)
 聖霊は、わたしたちを務めへと任命されます。「聖霊は・・あなたがたをこの群れの監督者に任命なさったのです。」(使徒 20:28)
 聖霊は、わたしたちに愛を与えてくださいます。「霊が与えてくださる愛によってお願いします。どうか、わたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください」(ローマ 15:30)
 聖霊は、わたしたちのために悲しまれます。「神の聖霊を悲しませてはいけません。」(エフェソ 4:30)。
 聖霊は、わたしたちのために執り成し、助けてくださいます。「霊も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが,霊自らが,言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。」(ローマ 8:26)

 聖霊は、わたしたちを覚え、語りかけ、救いの御業をなしてくださいます。
 聖霊は神としての神格(位格 ペルソナ)を持つ、「父と子とともにあがめられ礼拝される」神であると、聖書が証ししています。

 聖霊なる神ご自身が、今もわたしたちに働きかけ、救いの御業をなしていてくださることを、心に深く思い留めることが大切です。

ハレルヤ