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神学入門 15

神学 組織神学01

組織神学とは?

 組織神学、英語ではsystematic theologyと言う。
 聖書の語っていることを体系的に(systematic)に論述しようとするのが、組織神学である。
 一般的には、組織神学は3分野あると言われる。第一に教義学。第二に弁証学。第三に倫理学である。
 
 けれど、私見を述べるならば、第一は、教義学だけではなく、教理史、信条学、教義学をセットにして学ぶとよいと思う。

 教理史は、教理の歴史を扱う。教理(英語 doctrine)とは、聖書の要約である。聖書は、辞典のような記述をしない。神がそのような記述を選ばれなかった。多くは物語の形であり、祈り・讃美である。その聖書が、神はどのようなお方だと言っているか、キリストを誰だと言っているかになどについて聖書を要約して語るのが、教理である。
 この教理は、信条、信仰告白としてまとめられた。わたしの理解では、古代のものを信条、宗教改革以後のものを信仰告白と呼んでいるように思う。

 信条学は、教理自身を扱う。それは、信条(英語 creed)、信仰告白(英語 confession)の内容自体を学ぶことによってなされる。教理問答(カテキズム 英語 catechism)も信条・信仰告白に含まれる。

 教義学(英語 Dogmatic theology)は、聖書の主張を、現代の状況の中での意味を踏まえ、現代の思想と対話もしつつ、主題別に論述する。教理史、信条学が過去に意識が向くのに対して、教義学は今現在に意識を向ける。その主題は、啓示、神、創造、罪、キリスト、教会、終末などなど。

 弁証学(英語 apologetics)は、キリスト教に対する批判、異端、他宗教、世俗化、無神論に対して、聖書の使信を語ろうとするものである。

 倫理学(英語 Christian ethics)は、キリスト者としてどう生きるのかを考える。殉教、自殺、中絶、戦争などの主題が扱われる。

 以上の科目によるアプローチによって、聖書の語っていることを体系的に(systematic)に論述しようとするのが、組織神学である。

主は生きておられる(エレミヤ 4:2 新共同訳)