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神学入門 02

神学 総論02

神学の諸分野

 神学は一般的に4つの分野があると言われている。以下の4分野である。
 1.聖書学(英 Bible Study)
 2.組織神学(英 Systematic Theology)
 3.歴史神学(英 Historical Theology)
 4.実践神学(英 Practical Theology)

 1の聖書学には、緒論(ちょろん 英 Introduction)と神学と釈義がある。旧約・新約それぞれに、旧約緒論、新約緒論、旧約神学、新約神学、旧約釈義、新約釈義がある。旧約の分野、新約の分野をそれぞれ、旧約学、新約学と呼ぶ。
 緒論は、主に文書成立に関わる歴史的な問題を扱う。いつ頃書かれたのか。どんな社会状況だったのか。著者あるいは編集者は誰か。主な主張、思想は何か、など。緒論との関わりで、イスラエル史や新約時代史を学ぶこともある。
 神学は、旧約・新約全体の特徴、思想を扱う。
 釈義は、緒論、神学を踏まえて、聖書の1節1節のメッセージを聞き取る作業をする。

 2の組織神学には、教義学、信条学と弁証学と倫理学がある。
 教義学は、聖書の様々なテーマを体系的に論述しようとするもの。神論、キリスト論、聖霊論、創造論、終末論など。
 信条学は、教会(教派)によって公的に承認されている信条・信仰告白を扱う。ニカイア信条や、使徒信条など。
 弁証学は、他宗教やキリスト教の異端に対して、キリスト教信仰の正当性を主張しようとするもの。
 倫理学は、聖書に基づく生き方を提示するもの。

 3の歴史神学には、主に教会史と教理史がある。
 教会史は、教会の歴史を扱う。
 教理史は、教理の歴史を扱う。教理とは、聖書の教えの要約である。三位一体、キリストの二性一人格、信仰義認など。

 4の実践神学は、教会が行っている業の検証をする。実践神学に属するものには、説教学、牧会学、礼拝学、宣教学などがある。

 この伝統的な4つの分野だけでなく、現代神学と呼ばれるものもある。例えば、フェミニズムの神学や解放の神学、あるいは環境問題やグローバリゼーションに伴う経済問題などを神学的に取り扱うもの。

 それぞれの分野を通して、教会の営みが、神の御心に適ったものとなっているかを検証していくのが、教会の学としての神学である。

主は生きておられる(エレミヤ 4:2 新共同訳)