聖書の言葉を聴きながら

一緒に聖書を読んでみませんか

創世記 12:1〜4

2017年7月23日(日)主日礼拝 宇久井伝道所(14:00)
聖書箇所:創世記 12:1〜4(口語訳)
 
 時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」。アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。
 
 
 神は、救いの御業のためご自身の民を召し出されました。それがアブラハムであり、彼の子孫であるイスラエルです。そのアブラハムの物語がこの創世記12章から始まります。アブラハムは、神の改名によってアブラハムとなりました(17:5)。その前は、アブラムという名前でした。
 
 時に主はアブラムに言われます。「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。」
 神の民は、神に呼ばれ招かれます。イエスも同じようにして弟子を召されました。漁をしていたシモン ペテロとその兄弟アンデレに対して、イエスは「わたしについてきなさい」と言われます。すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従ったのです(マルコ 1:16-18)。
 アブラムの場合も、イエスの弟子たちの場合も、不思議です。なぜこれだけの言葉で、従っていけるのでしょうか。しかしよく考えると、キリスト者は皆そうなのかもしれません。なぜ神を信じ、神に従っているかと聞かれたら、一人ひとり答えは違うでしょう。けれど一言で言うと、神さまに召されたということになるのではないでしょうか。だからわたしたちの教会は、礼拝の最初は招きの言葉で始まるのです。ここに集う誰もが、神に呼ばれ、招かれているのです。
 
 神の召しはこのような言葉で言われます。「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。」
 これは「頼りとするものを手放して、わたしに依り頼みなさい。わたしの導きを信じ、わたしに従いなさい」ということです。
 わたしたちは未来を知りません。それ故、わたしたちはいつも不安です。だから多くの人は、占いを求めます。しかし、アブラムに、そしてすべての神の民に求められるのは、神に依り頼み、神を信じて生きることです。これこそが神の民の第一の務めです。
 
 神はアブラムに約束します。「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」
 神はさらに、ご自分の民に務めを与えられます。それは、祝福の務めです。これは、神の御業に仕える務めです。
 聖書は、初めから神の祝福を告げています。神はお造りになった世界に向かって言われます。「神はこれらを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、海の水に満ちよ、また鳥は地にふえよ」(創世記 1:22)」人をお造りになったときも言われました。「神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」(創世記 1:28)」さらに「神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである(創世記 2:3)」世界は、神の祝福で満ちていました。それが、罪のために神の祝福を受けられなくなってしまいました。
 そこで神は、祝福の基となるご自分の民を召し出されたのです。そして今わたしたちが使っている口語訳聖書で、最後に祝福という言葉が出てくる箇所はこういう言葉です。「悪をもって悪に報いず、悪口をもって悪口に報いず、かえって、祝福をもって報いなさい。あなたがたが召されたのは、祝福を受け継ぐためなのである」(1ペテロ 3:9)
 現代は、テロの時代と言われ、報復の連鎖と言われ、怒りや恨みが世界を覆い尽くそうとしているかのような時代です。その中にあって、わたしたちは神によって、祝福の基とされているのです。「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」地のすべてのものを祝福するために、わたしたちは召され、神の民とされたのです。
 
 わたしたちの礼拝は、神の招きで始まり、神の祝福と派遣で終わります。皆さんはきょう、神の招きを受け、そして神の祝福を受けて遣わされていくのです。皆さんが祝福の基とされ、その遣わされた所が神の祝福で満たされていきますように。
 
 
ハレルヤ