聖書の言葉を聴きながら

一緒に聖書を読んでみませんか

聖書通読のために 40

思い巡らす meditation meditado
 神の思いに心を向けるために

 

マタイによる福音書 5:38〜42(新共同訳)

 38節の「目には目を、歯には歯を」は出エジプト 21:23に出てくる。この戒めには、為したことの責任を取ることと、報いが「目には目と歯を」のように増大することを制止する意味がある。
 「悪人に手向かってはならない」の箇所で、先輩の牧師は「自己防衛、家族を守ることなどをしなくてもよいということではない。悪人に対して、こちらも悪人のようになり、手向かってはならない」と語っている。わたしも罪を容認し(例えばいじめ)、罪を助長するような行為が求められているのではない、と思う。
 聖書では「悪に報いたい、と言ってはならない。主に望みをおけ、主があなたを救ってくださる」(箴言 20:22)、また「自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります」(ローマ 12:19)と言われている。
 これは、個人的な復讐、私刑が戒められていると、わたしは理解している。それには、主の裁きを信じられなくてはならない。神はご自身のひとり子の命をかけても罪を裁かれるお方である。
 わたしには、40〜42節を理解するのが難しい。
 当時も、そして今でも、権力による搾取、強制は存在する。基本的人権が言われ教えられる現代日本でも、それはある。ただ、40, 41節と42節とでは意味合いに違いを感じる。搾取され、強制されたものは貸しなのだろうか。


喜びあれ(マタイ 28:9 岩波版)