神学入門 03
神学 総論03
神学の諸分野 私見
前回は、一般的に言われる神学の4つの分野を紹介した。
しかし、わたし個人としては、若干違う名称、内容を考えている。以下のように、わたしは考えている。
1.聖書学
2.組織神学
3.教会学
4.任務学
1の聖書学では、緒論と神学と釈義に先だって正典論を学びたい。
正典とは,教会によって公に認められているキリスト教信仰の基準となる書物のこと。一方、聖典とは,宗教の基本的教説を記した書物のことで,仏教の諸経典,イスラム教のコーランなども指す。
聖書は神の言葉である。教会、キリスト者の判断の基準となるものである。わたしは逐語霊感説には立たないが、聖書は過去の記録ではない。聖書は、神がご自身を啓示されたものであり、わたしたちをご自身に出会わせるための神の言葉である。
教会の学としての神学は、聖書が正典であることを踏まえた上で、緒論と神学と釈義をなしていく必要がある、とわたしは考える。
2の組織神学には、教理史を加え、信条学と共に学ぶとよいと思う。
3の教会学では、主に教会史と教会法を学ぶ。
教会学では、教会とは何か、どのような存在か、どのように教会形成をしていくのか、について学ぶ。
わたしが属する日本キリスト教会には「日本キリスト教会憲法」という教会法があり、その前文において「キリストのご支配に服し、聖なる公同の教会の本旨を実現するため、日本キリスト教会は憲法および規則を定める」と述べている。
主キリストを中心とした教会を建てていくために、教会の歴史から、また教会法から学ぶ必要がある、とわたしは考える。
4の任務学は、主から教会に託された務めについて扱う。
『日本キリスト教会信仰の告白』では「教会は・・主の委託により正しく御言を宣べ伝え、聖礼典を行い、信徒を訓練し、終わりの日に備えつつ、主が来られるのを待ち望みます」と告白している。
教会はしたいことをするのではなく、主から託されたことを務めとしてなしていく。神の言葉である聖書を通して委託されたことを、聖書(神の御心)にふさわしくなしていくために、教会は神学するのである。牧師の務め、長老の務め、執事の務め、教会教育のつとめ、伝道の務めについて神学する。
現代神学で扱われる内容も、教会の宣教の課題として理解されるときには、この任務学で扱う。
神学は牧師や神学者のためのものではない。全信徒、全教会のためのものである。父・子・聖霊なる神との交わりに生きるためのものであり、神との交わりを喜び讃えるためのものである。
主は生きておられる(エレミヤ 4:2 新共同訳)